デコラティブ・ペインティング(Decorative Painting)と絵画(Drawing)の違い

芸術としての絵画はデッサン力や感性、構図などの基礎が必要です。
自己表現として自由に描いていくものですが、色彩や物の形の陰影(明暗)遠近感などいろいろと基本的技術が求められます。
水彩画・日本画・油彩画・墨絵・パステル画・ボタニカルアート等、テクニックに応じて手法を学び、画材を揃えなければなりません。

それに対してデコラティブ・ペインティングは古くからある伝統的なデザインや技法をマニュアルにそって、図案を使い練習しながら描くものです。
絵心や経験は必要なく見本をみながら描くことができ、また熟練された手法や写実的な表現等、奥の深い技術を基本から学びながらオリジナルな作品を制作できるクラフト的アートです。
小物・布・ガラス・家具等まで絵付けするのは根気のいる作業ですが、技法を学びながらいろいろな国の図柄を楽しむことができます。

Painted by Rei Osuga ( acryl ) 

デコラティブ・ペインティングについて

正式にはトール・アンド・デコラティブ・ペインティングと言い、素材を問わず様々なテクニックで絵を描くアート形態のことを言います。
パターンを使うか、あるいはフリーハンドで自由に絵を描きますが、才能の有無やアートを専門に学んだかどうかは関係なく描くことができ、誰でもその人なりに表現できる素晴らしいアートです。
トールペイント(Tole Painting)のTOLEはもともとフランス語で”ブリキ板”という意味でしたが、一般には装飾されたブリキ製品を指しています。
19世紀頃には装飾されたブリキ製品は「TOLE Paint Lac」と呼ばれ、イギリスやアメリカでは「Japanned Tinware」と名付けられました。日本の漆塗りに慣れたイギリス人が黒ニスを使って作り、それが広まって命名されたのです。